絵や字の上手下手に関わらず、
素朴で温かな絵やメッセージを通して感謝や温もりが伝えられる「絵手紙」。
老若男女関係なく誰でも手軽に取り組めるのが魅力で、
ご家族や大切な人への挨拶に絵やメッセージを添えることで文章以上の想いを伝えられ、
また趣味としても楽しいと人気です。
「絵手紙をはじめてみたいけれど、どんな道具を揃えればいいのか」
「もっと本格的に絵手紙を楽しみたい」などの疑問やお悩みに、
江戸時代より商う書道用品や日本画画材の老舗専門店「丹青堂」がお答えします。
はじめての方必見の絵手紙に必要な基本的な道具の紹介や、既に絵手紙を楽しんでいる方に向けて、
絵手紙の世界がもっと広がるワンランク上の道具をご紹介していますので、ぜひお役立てください。
絵手紙を描くときに、まずは道具が必要になります。
絵手紙を描く上で「必ずこの道具でなければならない」という決まりはありません。
しかし、「どんな道具でもOK」と言われると
かえってどの道具がいいのか悩まれる方もいらっしゃるでしょうし、
せっかくはじめるなら絵手紙の楽しさを存分に感じられる道具のほうがいいですよね。
ここでは、一般的に絵手紙を始めるための道具をご紹介します。
一部の道具はご自宅にあるものや他の道具で代用可能ですので、
はじめから全部集める必要はありません。
気軽な気持ちで楽しみましょう。
顔彩は、小さな白い容器に入った日本画・墨彩画・俳画・絵手紙用の絵具です。
顔彩は顔料に膠(にかわ)・アラビアゴム・水あめ・砂糖などの固着剤(接着剤になる成分)を
練り合わせて固形にした絵具で、とくに四角い容器に入っているものを顔彩と呼びます。
この日本画用絵具・顔彩は、水彩画に使われるアクリル絵具とも似ていますが、
日本古来の色彩で鮮やかな発色のなかにも落ち着きのある色合いとなっています。
使い方はとても簡単で、水を含ませた筆で顔彩の表面をなでると色がすくい取れますので、
絵皿や梅皿などに移してから水で好みの濃さに調節するだけです。
絵具の伸びもよく、また長期間の保存もできます。
絵具の表面にヒビが入っていることがありますが、これは乾燥によるもので、
品質にはとくに問題ありません(絵具を濡らすとヒビがなくなっていきます)。
ほかの絵具と混ぜるには絵皿や梅皿を使うのが便利です。
ただし、3色以上を混ぜると色が汚く濁りがちですので、
あらかじめ多めに色数を揃えておくことをおすすめします。
絵手紙では線書き用(線書き筆)と色つけ用(彩色筆)の2種類を使います。
もちろん色をつけるための彩色筆としても、またメッセージを書く際の筆としても
使用可能な万能筆もありますので、レベルや作品に応じて選ぶことが大切です。
墨の濃淡やにじみなどが美しく出る画仙紙(がせんし)はがきがおすすめです。
紙質によって発色やにじみ具合は様々なので、色々試してみて好みのものを探されると良いでしょう。
画仙紙には、和画仙と本画仙と2種類あります。
・和画仙は和紙の名前で、日本で漉かれた画仙紙のことをいいます。
にじみが程よく、顔彩の発色もよく、絵手紙に最適のはがきです。
・本画仙は紙の名前で、中国で漉かれた画仙紙のことをいいます。
本画仙はがき(丹青堂製)は、和画仙はがきよりもにじみが少し強く出ますが、
そのかわりに墨や顔彩の発色が非常に良く、表現の幅が広いはがきです。
絵の輪郭線やメッセージを描く際に使います。
青墨は、小学生の書道の時間で使っていた真っ黒な墨とは違い、少し青味がかった墨で書だけでなく、
水墨画や俳画、絵手紙によく使われています。
真っ黒な墨よりもやわらかな色目と透き通った雰囲気の青墨は、
顔彩の発色となじみがよく、より味わい深い作品になります。
輪郭線やメッセージは必ず墨で書かなければいけないわけではなく、
顔彩に入っている黒色でも代用できます。
はじめて絵手紙に挑戦される方は、まず顔彩に入っている色味を使って描いてみてもOKです。
墨(青墨)を磨(す)るために硯もあると安心です。
硯は素材によって使いやすさや墨の出方が異なります。
よくある小学校の書道の時間に使われることの多いプラスチック製の硯は、軽くて扱いやすいですが、
墨を擦ることには向いていません(墨汁の場合は可)。
墨を磨って使用する場合は、石でつくられたものをおすすめします。
上から見たときの形が梅の花に似ていることから、梅皿と呼ばれています。
水をつけた筆に「顔彩」をとって絵皿に移して使います。
少量ずつ色数を多く使う場合や一色でいくつもパターンを出す時に重宝する溶き皿です。
このほか、絵手紙を楽しむ際には、筆を洗う「筆洗」や書道の際などで使用するフェルトの下敷き、
洗った筆を拭く布巾やティッシュペーパーなどがあると安心です。
「絵手紙をこれからはじめたい」という方に向けて、最低限あったほうがよい一般的な道具を
品質・機能性・お求めやすさを重視してご紹介しています。
すべて丹青堂の各店頭または公式オンラインショップで購入可能ですので、
気になる商品は各リンクからご確認ください。
また、ここで掲載していない道具も取り扱っていますので、
お探しのものがあれば公式サイトをご確認いただくか、各店までお問い合わせください。
・顔彩セット(18色) 2,750円(税込)
・蓋付き梅皿(8.5cm) 481円(税込)
・絵手紙筆 3,080円(税込)
・和画仙はがき(10枚入り) 341円(税込)
すでに絵手紙を趣味として嗜まれている方、
また道具を新しいものに買い替えたい、本格的な道具にランクアップしたい方に
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気になる商品は各リンクからご確認ください。
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・顔彩セット(24色) 3,575円
・如水(絵手紙・日本画用筆)(中) 5,830円(税込)
・聖品1.5丁型(水墨画用墨・古梅園製)4,400円
・本画仙はがき(丹青堂製)(10枚入り)429円(税込)
ネットが普及した昨今、SNSやメッセージアプリでのやりとりが主流になりましたが、
そんな今だからこそ直筆の手紙や絵手紙の温かさが見直されていています。
今回ご紹介した道具はほんの一部なので、上達に連れて色彩を増やしてみたり、
いつもと違った道具にチャレンジしてみたり、絵手紙は「作品」ではなく「手紙」ですので
相手とのやりとりを楽しみながら自分の素直な気持ちを絵手紙で届けましょう。
はじめての方も道具に関する疑問やお悩みがあれば、
丹青堂各店の知識豊富なスタッフがサポートいたします。ぜひ、気軽な気持ちでご利用ください。