オリジナルの扇子仕立てについて
夏に扇子は付き物ですが、既製品だけではなくご自分で絵や書を書いたオリジナルの扇子が仕立てられることをご存知でしょうか?
既製品では満足できない、世界に一つだけのオリジナルの扇子が欲しい。
そんな希望をお持ちの方のために、扇子の仕立てをご紹介します。
扇子仕立て用の地紙(じがみ)を用意する
まず最初に、扇子を仕立てるための専用の地紙を用意してください。
丹青堂では、表が本画仙(ほんがせん)紙、となっている扇子仕立て専用の地紙を用意しています。
紙の性質ですが、本画仙紙はにじみがあり、多少書き慣れた方でないと扱いが難しいかもしれません。
ただし、墨色や絵具の発色・かすれは綺麗に出るので本画仙紙をお勧めします。
通常は片面だけ書く場合が多いのですが、両面に書いても面白い扇子になります。
地紙に絵や書を書く
扇子を仕立てるための地紙を用意し、表・裏のどちらに書くか決まったら、自由に書いてみてください。
ただし、注意点があります。
扇子を仕立てる都合上、地紙の四辺が一部切り取られてしまうのです。
具体的には、左右と上部が約1センチ、下部が約1センチ5ミリほど切り取られますので、作品を書く場合には切り取られることを考えながら書く必要があります。
扇子を仕立てる
扇子仕立て専用の地紙に作品が書きあがりましたら、お近くの丹青堂各店まで地紙をお持ちください。
もし、お近くに丹青堂がない場合は、info@tanseido.jpまで事前にご連絡のうえ作品(地紙)をお送りください。
また扇子の仕立てだけではなく、状態によっては扇子の修理も承ります。
お気軽にお問い合わせください。
名称 | 高さ(縦線A) | 幅(横線B) | 実質的な長さ(斜線C) | 地紙の価格 | 仕立て価格 |
---|---|---|---|---|---|
扇子仕立て専用 地紙(男性用) |
223ミリメートル | 475ミリメートル | 145ミリメートル | 324円 (税込) |
3,996円 (税込) |
扇子仕立て専用 地紙(女性用) |
201ミリメートル | 430ミリメートル | 132ミリメートル | 291円 (税込) |
3,996円 (税込) |
注1:仕立てた扇子の親骨・中骨は竹製となります。また、紙箱が付属します。
注2:扇子仕立て専用地紙の大きさは、四辺を裁断していないサイズとなります。
注3:仕立て価格には、扇子仕立て専用地紙の価格は含まれていません。
注4:扇子の仕立てに要する期間は、夏季が約2か月、それ以外でも約1か月ほど必要となりますので、早めのご注文をお勧めします。
注5:丹青堂で販売している扇子用地紙以外の地紙では、お仕立てすることができません。
扇子の各部の名称について
扇子は大きく分けて本紙(ほんし)・親骨(おやぼね)・中骨(なかぼね)・要(かなめ)の4つの部分からなります。
絵や書が書かれているのが本紙で、通常は紙でできていますが、そのほかに麻や絹・綿などがあります。
本紙が貼り込まれているのが骨で、なかでも表裏のいちばん外側にある骨が親骨で、それ以外の内側に位置する骨が中骨と呼ばれます。
骨をまとめているのが要で、この部分を起点として放射状に広がることで、扇子の独特な形状が生み出されます。
また、扇子を折りたたんだときに広がらないよう留めるためのリング状の物はせめと呼ばれます。